堺市障害児通所事業者育成事業 (堺市委託事業)
堺市の委託事業で、当法人を含む4法人が受託しています。
(社会福祉法人堺あすなろ会、社会福祉法人こころの窓、社会福祉法人コスモス、特定非営利活動法人ぴーす)
堺市内の『児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所』を訪問等し、障害児の発達支援・訓練等に関する助言などを行っています。
事業を利用する事業所は、堺市が年度初めに行う広報へ申込みをした事業所になります。
毎年、4法人で52事業所以上に対応しています。
機関支援事業
1か所の事業所に年間3回以上の訪問等を行い、支援についての相談や助言、研修の実施などを行い、事業所の職員の支援技術の向上を図るとともに、指定基準ならびに各ガイドラインに基づいた障害児通所支援の推進を図ることを目的としています。
研修事業
育成事業を利用している事業所に向けて、障害児支援に関する研修を年間3回程度行います。
実施機関連絡会の開催
育成事業を円滑かつ効果的に実施するために、定期的に4つの受託法人が実施機関連絡会議(2か月に一度)を開催しています。
ぴーすでは、育成事業のメイン担当者だけでなく、相談内容によっては必要な情報・知識のある職員が連携して実施をしています。
これまでの具体的な対応は、以下の通りになります。
Aちゃん:小1 女児 自閉症スペクトラム 発語あり
こだわりが強く、特に順番にはこだわりがある。本児が決めている順番を他児が悪気なく邪魔してしまうことで相手に対し、叩く・突き飛ばすなどの他害行為がある。また、活動には興味を持っているものの、順番のこだわりが災いして取り組めない。 ⇒⇒⇒
本児の気になる「順番」をあらかじめ提示してあげるため、個別のスケジュールを提案。目に入るものに影響されやすいため、事業所に到着したらまず、見える位置に設置。スタッフと『見える形』でスケジュールを確認する。Aちゃんはすぐにカードスケジュールを理解。活動中にも何度も確認するために見ているそう。Aちゃんが順番を変えてほしいと要求することもできるように。衝動的に他害が出てしまう場面もあるが、Aちゃんからの要求もカードコミュニケーションを行うことでスタッフも本児の思いを理解できるようになった。
小3 Bくんの保護者:フルタイムの就労をしており、Bくんの下に未就学のきょうだいがいる。
連絡帳の記載もなく、事業所からの連絡も見ているのかも不明。面談のアポも取れない。忙しさから事業所にお任せになっている。学校も同様に困っている様子。⇒⇒⇒
保護者は家の中では家事や育児でバタバタされている様子。気持ちがあっても対応できないことを理解したうえで、例えば保護者が連絡しやすいツール(LINEなど)を使ってみてはどうかと提案。保護者はLINEなら通勤中でも大丈夫とのことで、連絡は取りやすくなった。ただ、面談の日程調整は難しいが、事業所から、きょうだい児も同席での面談や曜日や時間の工夫をして提案してみたら、保護者がなんとかしようという姿勢になってくれた。
Cくんの通う〇〇小学校:下校時間の問い合わせやCくんの支援方法について共有したいが学校が協力的ではない。連絡しても迷惑そう…。⇒⇒⇒
学校によって、対応に差があるが、やはり関係を築いて行くことが一番。送迎の時だけではなかなか関係を築くのも難しい。学校としても事業所の対応には困っているかも知れない。新年度や利用開始の際に学校に挨拶に行き、学校が決めているルールをお互いに確認しておくことを提案。窓口の先生以外の先生と話をしてみると支援の相談ができるようになったケースも。
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